介護職員の人手不足は深刻
2004年に介護付き有料老人ホームを開設してかなりの期間は、求人を出せばすぐに応募が来ていました。その後だんだんと応募が来なくなり、2015年頃からほとんど応募が来なくなった感じがします。介護業界の人手不足については、いまや世間の常識になったと思います。
原因は、①介護保険制度が出来て安定した経営を介護事業者がやりやすくなったことで、多くの事業者が参入したこと。②景気が良くなり、他の業界に人が流れたこと。③15歳~64歳までの生産年齢人口が減りだしたこと。が上げられます。
また、介護を教える専門学校等の定員割れもひどい状況だと聞きます。「生徒が介護業界に進むことを希望しても、中学や高校の先生が進路変更を勧めている。」との報道もあります。それだけ悪いイメージを持たれてしまっているんですね。私達が高齢者になった時は、覚悟して置かなければいけません。生きているうちは元気に暮らし、寿命の尽きたときに患うことなくコロリと死ねれば良いのですが、なかなかそううまくいかないと思います。
どうすれば介護に人が集まるのか
外国人の雇用
手っ取り早い方法としては、介護のコンビニ化。つまり、外国人を多く雇用することです。但し、日本の相対的な豊かさが年々低下していることや、西欧や豊かになったアジア諸国も外国人を介護等に招いていることを考えると、そんなにうまくいくとは思えません。
私は外国人の移民には反対です。あくまで単身での訪日にして、5年程の期限で母国に帰ってもらうことを基本とすべきです。だだし、日本の大学を出て就職した場合やその職業で一流の資格等を得た場合などは、長期の滞在や家族の呼び寄せも認めるべきと思います。そして給料については、日本人と同等にすべきです。
お客様は神様じゃない
日本のサービスは、過剰なことが多いと思います。デパートや小売店などでも従業員が多すぎます。『お客様は神様ではなく対等な契約当事者です。』お金をいただいて、それと同じ価値をもった物やサービスを提供する対等な立場なのです。物やサービスの提供を受ける場合、待たされても仕方ないことと考えるべきです。因みに、私が大学病院に通院していた頃は3時間待たされることが常態化していましたが、苦情等は一切言いませんでした。
もちろんお客様を大切にすることは事業者として当然ですが、余りにも手厚いサービスは労働生産性を下げてしまい、人手不足の原因となります。
AIや電子マネーの利用は進めるべき
AI利用もどんどん進める必要があります。AIによって10年後、20年後は人余りになるとの予想がされていますが、そうはならないと思います。科学技術に関する将来の予想は、ことごとく外れていると感じています(検証はしていません)。生産年齢人口が減っていく中で予想通りになれば良いのですが、対人でのサービス提供を好む日本では、劇的な変化は起こらないのではないかと想像します。
電子マネーも推進すべきですが、統一規格を作ってできるだけ携帯しなければならない枚数を減らすべきです。もう無理かもしれませんが、クレジットカード一体型電子マネー1枚とスマホアプリ1個だけで、日本中どこでも使えるようにしてもらいたいと思います。
結論
まとめると、①外国人の採用を日本人と同じ賃金で、原則5年の期間限定(介護福祉士を取得した場合は延長可)で増やす。②お客様は神様ではなく対等な契約当事者との認識を日本全体で共有できるような社会を作る。③AIと電子マネーの導入を進めて人手不足の解消に努力する。これらができれば、介護職員の人手不足も緩和すると考えます。
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公開日2019/11/6(更新日2019/12/31)
井原俊明
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